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ある川渡農場の夜

僕は大学が農学部でしたので、大学1年の頃から川渡農場へ泊り込みで実習に行って勉強したものです。
農場へ行くと夜には、みんなでジンギスカンを食べまくって、ビールを飲みまくって、ある人は男女2人きりで外へ出て星空を眺めながら語らい、ある人は教授の傍へ行き熱心に学問の話を聞き、ある人はゲロ吐きまくり、ある人は農場のほうへ駆け出して行方不明になったものです。
僕は何をやっていたのか、今ではもう思い出せませんが、良い事は1つもなかったはずです。
東北大学のエリートの卵なんてのは、人前で恥をかかないようにすることしか考えてないっぽかったので、思い切った行動がなくて面白くありませんでした。
かくいう私も、何一つ思い切った事をせずにこれまで生きてきたわけです。
農場の羊よりも羊羊していました。

同じ農学部のメンバーで「しんや」という男がいました。
僕や僕のいつもつるんでいる友達は、「しんや」の事を影で「ちんや」と呼びました。
「ちんや」はやがて突然変異を起こし「まんや」に飛躍しました。
つまり図式化すると「しんや」→「ちんや」→「まんや」といった呼び名の遍歴があったわけです。

もうお気づきの通り、「しんや」は女好きな性格でした。
プレイボーイじゃありません。
いつも女性の周りをちょこまかちょこまか動いている、虫でした。

僕らは若かったので、そんな「しんや」のことを嘲笑したのです。

ある、川渡農場の夜、僕らはやはり大騒ぎでした。
僕が椅子に座って喋っていると、いつもどおり女の周りをちょこまかしている「しんや」がやってきて、こう言いました。
「女の子は弱いのだから、優先的に椅子に座らせなきゃいけない。ぼさっとしていないで君は立ちたまえ。」
僕はこう言い返しました。
「あああ?立ち話も出来ないくらい弱いのか?あああ?」
僕らは取っ組み合いのけんかになりました。
「しんや」のメガネは割れました。僕の顎は曲がって出てきました。
(それからというもの、吉岡の顔はそんな感じになったそうな。)

そして、その取っ組み合いのときに衝撃であいた穴からは温泉が湧き出てきて、
地域の住民の病気や怪我を治し、喜ばれました。
今では、川渡温泉と名づけられて、全国から観光客がやってくるとか、来ないとか。

しかし、仙台へ戻った吉岡と「しんや」は、その後、適当に仲直りをして、それぞれ幸せになったという。

おしまい。


よしおか
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[ 2010/02/17 00:14 ] Essay | TB(-) | CM(0)
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